日本では、少子化が進んでいます。4月26日に「将来推計人口」が発表され、15歳から64歳までの「生産年齢人口」も減り、総人口は2070年には現在の約7割にあたる約8700万人にまで減少を予想されます。
つまり、子どもが少なくなっているのです。その原因の1つに、「氷河期世代」という人たちがいます。この世代は、社会が大変な時期に生まれた世代で、就職や結婚、子育てが難しい状況です。
政府や企業は「氷河期世代」に対して、バブル経済崩壊後に、就職難や非正規雇用の増加となったにもかかわらず、具体的な対策も立てなく、見捨てたんです。そのツケが回ってきて少子化に結びついてきます。
政府や企業が、氷河期世代を見捨て、少子化を招いた原因を3つ紹介していきます。
氷河期世代とは何か?
「氷河期世代」とは、1970年から1982年までに生まれた人たちを指します。
この世代は、バブル経済崩壊後の景気低迷から、新卒でも就職が難しく、多くの人がフリーターや派遣といった非正規雇用となり、若者たちは厳しい状況に直面してしまった世代です。
この時期に新卒での就職が困難となった世代は就職氷河期世代と呼ばれ、のちに略して「氷河期世代」と呼ばれるようになりました。
2000年前後の大学を卒業して社会人になった世代にて、2023年時点で40代の方々となります。
私が30年間勤めたメガバンクも、この氷河期世代の行員は非常に少ないです。企業も一時的なことしか考えないで採用を絞ってました。
政府が氷河期世代を見捨てたツケとは?
氷河期世代は大変辛い思いをしている世代です。が政府は有効な対策を行ってこず見捨てました。そのツケが今も大きな影響を与えています。
見捨てたツケが現状どうなっているのかみていきます。
- 貧困と格差の拡大:氷河期世代は安定した正規雇用を得る機会が少なかったため、経済的に困難な状況に置かれる人が増えました。非正規雇用や低賃金の仕事に就かざるを得ない人々が増え、生活保護受給者やワーキングプアの増加につながっています。
- 年金問題:安定した職に就けず、低賃金の仕事に従事していると、年金の積み立てが十分にできません。その結果、老後の生活が不安定になるという問題が浮上しています。
- 結婚・出産の遅延や見送り:経済的な安定が無いと、結婚や子育ては難しくなります。これが少子化や晩婚化につながり、社会全体の人口問題に影響を及ぼしています。
- メンタルヘルス問題:就職難や非正規雇用の増加は、ストレスや自己価値感の低下を引き起こす可能性があります。これは、社会全体のメンタルヘルス問題、自殺率の増加などにつながっていると考えられます。
- 人材の流動性と生産性の低下:この世代の多くが雇用の安定性を求めて非正規雇用に甘んじているため、キャリアアップのチャンスが失われ、高度なスキルや経験を積む機会が減りました。これは長期的に見ると、国全体の生産性の低下につながる可能性があります。
政府が対策を打たなかったため、多くの社会問題になるツケが回ってきています。
そのツケの1つが、国の根幹を揺るがしかねない少子化なんですね。
少子化とは何か?
「少子化」とは、出生率が低下し、人口減少が起こっている状況を指します。
日本では、少子化が進むことにより、将来的に労働力不足や社会保障財政の悪化などの問題が起こります。
4月26日に厚生労働省は「日本の将来推計人口」結果を公表。2070年の日本の総人口は8700万人(20年時点の69.0%)に減少。総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は20年の28.6%から70年には38.7%に上昇と推測。
グラフを見ても、2070年には、0-14歳の層はほぼいなくなる感じでおそろしくなります。
政府・企業が氷河期世代を見捨て少子化となった3つの原因
氷河期世代が、現在の少子化問題に関わっている具体的な3つの原因について説明していきます。
(1)氷河期世代が経済的に不安定で子育てを先延ばしする傾向
氷河期世代が経済的に不安定で子育てを先延ばしする傾向にあることが一つの原因となります。すでに40代になってきています。先延ばしも限度が出てきます。
氷河期世代が経済的に不安定な理由とは?
氷河期世代は、1990年代後半には、バブル崩壊やリーマンショックといった経済的な出来事が起こり、就職氷河期に直面。
たまたま、運が悪い時期にあたったため、就職先が限られ非正規採用も多くなり、長期にわたり経済的に不安定な状況に置かれています。
子育て負担が大きくなっている理由とは?
経済的に不安定のなか、氷河期世代が子育てをする際の負担が増えてます。例えば、住宅や教育費の負担が大きいなど。
また、育児に必要な時間や費用が増加しているが、親たちの働く時間が長くなり、子育てに十分な時間が取れなくなっていることも影響しています。
出産や子育てを先延ばしする影響とは?
経済的な負担が大きくなることや、仕事との両立が難しいことから、出産や子育てを先延ばしする傾向となります。これにより、出生率が低下し、少子化が進んでしまいます。
出産や子育てを先延ばしすることで、女性たちが高齢出産になることが増えています。また、結婚や出産を諦める女性も増え、少子化が進む要因の一つになっています。
(2)氷河期世代が未婚率が高く出産や結婚を選択しない原因
氷河期世代の未婚率も大きな原因です。
未婚率が高い理由とは?
氷河期世代は、未婚率が高く、結婚しない人が増えています。これは、経済的な不安定感や、仕事に追われることが多いため、結婚や出産を選択しない人が増えているためです。
結婚や出産を選択しない理由とは?
氷河期世代が結婚や出産を選択しない理由は、いくつかあります。
- まず、経済的な不安定さが挙げられます。安定した職業や収入を持っていない場合、結婚や子育てをすることは難しくなります。
- また、仕事やキャリアに打ち込んでいるため、子育てに時間を割けないと感じる人もいます。
- さらに、子育てが大変だというイメージがあるため、敬遠する人もいます。
未婚率が少子化に与える影響とは?
未婚率が高くなり、出生率が低下し、少子化が進むことになります。
また、少子化が進むと、将来的には高齢化が進み、社会保障費の負担が増えるなど悪循環が予想されます。そのため、未婚率の改善や出産を促進することが必要なんです。
(3)氷河期世代が仕事や子育てに追われ、出産や子育てを諦めざるを得ない原因
氷河期世代が仕事や子育てに追われ、出産や子育てを諦めざるを得ないことが第3の原因となります。
仕事や子育てに追われる理由とは?
氷河期世代は、仕事や子育てに追われるため、時間的余裕がなくなっています。例えば、長時間労働や育児休業制度がまだまだ十分でないことが原因の1つです。2人目の子供、三人目の子供を持とうと思わなくなります。
時間的余裕がなくなっている理由とは?
子育ての時間的余裕がなくなっている原因として、
- 女性が社会進出したことが挙げられます。女性が社会進出することで、男性だけではなく女性も仕事を持ち、家事や育児を担当する時間が限られるようになっています。男性も女性も平等に気兼ねなく、子育てできる環境が急務となりますね。
- また、氷河期世代では、非正規雇用や条件の悪い企業への就職も多かったため、長時間労働が増え、時間的余裕が少なくなったことも原因となります。
出産や子育てを諦めざるを得ない影響とは?
結局は少子化となります。氷河期世代を助ける施策がほとんどされてこなかった結果は、
- ⇨経済面が不安・時間的に制約・将来の不安を生み
- ⇨出産や子育てを諦める
- ⇨少子化
- ⇨将来の人口構成いびつ化、高齢社会、社会保障問題
と、悪循環になってます。
政府の氷河期世代への支援
氷河期世代は、バブル経済崩壊後の景気低迷から、新卒でも就職が難しく、多くの人がフリーターや派遣といった非正規雇用となり、若者たちは厳しい状況に直面してしまった世代。
特に、政府・企業が非正規雇用を増やしてしまった時期でもあります。この時期のしっかり対策・支援をしていればと後悔ですね。
現在、政府は氷河期世代に対して、就職支援を行なっています。なかなか成果は上がっていない現状ですが、一度調べてみるのも大切ですね。
少子化問題の解決策
最後に、少子化がもたらす問題点と今後の解決策について説明しておきます。
少子化が進むことにより、
- 将来的に労働力不足や社会保障財政の悪化
- 地方の過疎化などの問題
- 高齢化社会において、介護や医療などの社会的負担が増大
などの問題が大きくなってきます。
少子化問題を解決するためには、出生率の向上や労働環境の改善などが必要です。
政府の取り組み
政府は令和5年3月に「異次元の少子化対策」を掲げ、2024年度から2027年にかけ「こども・子育て支援加速化プラン」に取り組むと発表しました。
財源など今後の問題点は多々ありますが、一つでも多く実現してほしいです。また、企業も育児休業時対応など体制整備も前広に対応していきことが大切です。
個人ができることとは?
個人ができることとしては、国や企業の施策を理解して積極的に活用していくことです。ただ、なかなか制度を理解することは難しいです。ここは政府がCMなどでどんどん紹介していくことで、認知させていくべきです。
仕事との両立を考える場合、柔軟な働き方や副業なども検討することができます。
まとめ
政府・企業が氷河期世代を見捨てたツケが少子化となった3つの原因についてみてきました。
3つの原因としては、
- 氷河期世代が経済的に不安定で子育てを先延ばしする傾向
- 氷河期世代が未婚率が高く出産や結婚を選択しない
- 氷河期世代が仕事や子育てに追われ、出産や子育てを諦めざるを得ない
以上を説明しました。
今回は、氷河期世代が就職時の経済不況により、就職難・非正規雇用という状況が生まれ、政府・企業が何も支援しなかったツケで、少子化にも影響したことを説明してきました。
氷河期世代への支援、少子化対策と今後政府がやっていく責任は大きのです。しっかり動向などチェックしていきたいです。
今後の生き方
政府が行う支援、対策の責任は大きいですが、
待っているだけでは、結局現状の生活は変わりません。
変わらないならまだ良い方で、
会社からの収入にしても、今後安定的に入ってくる保証もありません。
そうしたことに備え、なんらかの収入を得る方法を考えていくことが重要になりますね。