岸田総理は、1月の国会で「物価上昇率を超える賃上げを実現してほしい」と企業側へ要求しました。物価上昇率は3%〜4%と賃上げ率も3%~4%以上の上昇を要求。
ただ、非正規雇用の方に対しての言及はなかったです。
政府は企業に対して「賃上げを」をお願いしているだけの状況です。
物価上昇が止まらない現在では、非正規雇用では賃金が上がらないと生活が出来ない状況まで追いつめられています。
- 今後の非正規雇用の賃上げはどうなるのでしょうか?
- また、政府が何か手を打ってくれているのでしょうか?
2023年度の非正規雇用の賃上げについて、わかりやすく解説してきますね。
2023年非正規の賃上げは?
2023年の非正規の賃上げは政府は特別に言及していません。
また、2023年非正規の賃上げが実現出来た例もほとんどない状況が実態です。
少し賃上げに向けた動きが始動
ただ、新しい試みが始まっています。
個人で加入できる全国16の労働組合が、合同による春闘の賃上げ要求を行っています。
「非正規春闘」と言われてます。今までは全国各地の個人加盟労組が連携することはなかったが、新しい動きとなっています。
非正規雇用労働者の賃金を一律10%引き上げるよう求める!
*春闘とは、毎年春に多くの労働組合が一斉に行う、賃上げを中心とした運動のことです。
「春闘」の中心は正社員の賃金引き上げであり、パート・アルバイトや派遣などの非正規労働者の賃上げは通常含まれていないです。
なお、非正規雇用は、労働組合に加入する割合が8.5%前後と小さく、賃上げ交渉する機会がほとんどないのが現状です。今回の全国16の労働組合が合同で春闘することは大変意義があることです。盛り上げてほしいです。
非正規春闘の方針は主として二つあります。実現するかどうかはわかりませんが、行動を起こすことが賃上げにつながっていってほしいです。
- 各企業に対して非正規雇用労働者の一律10%賃上げを要求
- 政府に対して最低賃金の即時再改定と最低賃金1500円を目指す政策を要求
非正規春闘の効果は?
現在まだ3月いっぱいは春闘の運動中です。
一律10%賃上げ実現はまだまだ応じる企業がいるとの発表はない状況です。
行動を起こすことが賃上げにつながっていくことを期待します。
現在の非正規雇用の賃金は
総務省の発表では、全国の全労働者のうち36.9%が非正規雇用として働いています。およそ2100万人です。
この非正規雇用は、契約は有期の不安定雇用であり、最低賃金に近い時給で生活は苦しい環境になっています。
非正規雇用の賃金
国税庁の和3年分の民間給与実態統計調査では、
給与所得者の平均給与443万円
正社員と非正規の平均給与の違い
正社員の平均給与508万円
正社員以外(非正規)の平均給与198万円
となっています。
かなりの格差となっています。非正規の労働者は現在の物価ではかなり厳しい生活を余儀なくされています。
賃上げ10%要求ではまだまだ生活は厳しい
現在は、非正規春闘で賃上げ10%の実現を頑張ってくれています。
ただ、もともと賃金ベースが低い非正規雇用にとっては、賃上げ10%ではまだまだ厳しいのが現状です。
厚生労働省の調査では、正社員の時給換算2021円に対して、非正規雇用労働者の時給換算1337円と約3分の2の水準しかありません。
これでは、賃上げ10%となっても非正規雇用の労働者は時給で133円アップするだけとなり、全然物価上昇分は吸収出来ない状況。
賃上げ交渉のみでは賃上げに応じない企業も多く、賃上げ交渉と最低賃金引き上げの両方が必要となってくるでしょう。
賃上げを発表した企業例
現在、大企業の正社員に対して賃上げの機運が高まっています。そのきっかけとなったので今年初めに賃上げを発表したユニクロです。
ユニクロは令和5年1月に正社員に対して平均15%で最大40%の賃上げを発表しています。
正社員8400人が対象になっています。ユニクロ全体では正社員・準社員・アルバイトを合わせ10万人以上が在籍にて、その1割程度正社員に対して賃上げを行うことです。なんだ正社員だけかあと思いましたが、実は非正規雇用にも賃上げを行っていました。
実は非正規従業員の賃上げは去年秋に約2割の賃上げを行っています。
ユニクロは、非正規雇用に対しても賃上げを行っていたのですね。他の企業も見習ってほしいです。
非正規の賃上げに対し政府対応
政府は、非正規雇用の労働者に対する賃上げの政策は何も上げていなく、言及もしていない状況です。
企業の対して「物価上昇率以上の賃上げを!」と発言しているのみです。
これでは、正社員の賃金を上げて、非正規雇用の労働者にその分のしわ寄せがくる可能性もあります。非正規雇用の労働者にとっては厳しい環境が続きます。
全労働者の約4割を占める非正規雇用、ここに対してしっかり対策を立てないと全然国民が豊かになっていきません。全力で対策を立ててほしいです。
なお、政府が賃上げを助ける政策を税制と補助金・助成金で発表していますが、どれだけ効果があるのか未定です。
まとめ
【2023】非正規の賃上げはどうなるのか、低い賃金はもう限界にきている状況で政府対応してくる?についてみてきました。
- 非正規の賃上げは、現在「非正規春闘」で賃上げ10%を実現する運動を展開中
- 賃上げ10%では、非正規雇用の平均時給1337円に対して133円しか上がらない。生活が好転するまでにはない
- 政府は現在「非正規雇用に対する賃上げ」については言及していない
非正規春闘という新しい動きも出てきています。これをきっかけに非正規雇用の賃上げについてもっと注目して実現していってほしいです。
ただ、賃上げの実現を待っているだけでは、なかなか生活は好転しないです。一度収入源を増やすことも検討されることをお勧めします。
これからの生活を安定させる
企業の賃上げ発表が相次いでいますが、物価上昇を補う賃上げが出来る企業は半分にも満たない状況です。
会社からの給料のみに頼った収入では不安が消えません。
毎月少しでも会社以外からの収入源を持つこともこれから必要となってきます。