近年、就職先として銀行はめっきり人気がなくなってきていますね。銀行利用はネット主体となり店舗も大幅に減り、銀行業務は縮小方向へ日々変化してきています。ただ、まだまだ安定感や給与水準から根強い人気があります。
また、令和5年度では世界的な金利高、日本も金利が上がりつつあり、銀行もやっと利鞘が取れるようになり、収益増へといい傾向です。
グローバルな活躍、デジタル化などダイナミックな仕事も多くあり、これからも魅力的な職場であることには変わりありません。
そのような環境下、これから銀行を目指す人や実際に働いている人は、
- 銀行に就職したいがどんな資格が必要なの?
- また、就職後も出世のためや業務の為に必要な資格は何?
と今後もキャリアのため、資格について考える場面でてきます。
今回は、そもそも銀行員には資格が必要なのか、銀行員が取得しておきたい資格を就職・出世に分けて解説していきます。
私の銀行員時代の保有資格は以下の通りでした。
- FP1級
- 宅建
この記事から少しでも銀行への就職や出世・業務へ役に立ち、充実した銀行員人生を送ってほしいですね。
銀行員に資格は有利なの?
銀行では、一般的に業務上必須な資格以外は、必要ではありません。保有資格に対して資格手当が出る銀行は少なく、メガバンクでは保有資格に対する手当はないです。(税理士とか公認会計士、弁護士資格は有利で、プロフェッショナルという職種にもつけます)
ただ、銀行では今後の業務に生きる資格は多くあり、それを学び取得したことで就職や出世に対して有利であることは間違いありません。
ここでは、英語スキルと業務に必須な資格について説明していきます。
英語スキルは必要なの?
メガバンクでは英語力について重視しています。行きたい部署により、TOEICのスコア基準が設けられています。
例えば、グローバル部門や市場部門は850点以上などとなっていたりします。これは必須ではなく目安ですが、重視されます。
また、海外留学などを視野に入れている人は、選考前に足切り基準があり相当な英語力が必要となってきます。
2023年メガバンク入行の一般職(総合職でない人)のTOEICの平均スコア
TOEICの平均スコア730点だったとのことです。就職にもTOEICの平均スコアが大きく影響していますね。
私はバブル時期の入行だったため、TOEICは特別な部署以外はあまり重要視されていなかったです。
私が副支店長時代仕えた同期の支店長は、(関西系大学・京産)アメフト推薦入行の方でTOEIC180点でした。これで恥ずかしくないのかなといつも思っていました。今では通用しないですね。
ただ、こんなこと思っていたため、かなりいじめられましたが・・・トホホ。
業務に必須資格は?
支店業務をするのか、本部業務をするのかで必須資格は変わってきます。
支店業務
支店業務では、下記資格が必須です。入行後に必ず取得させられます。
- 証券外務員1種、2種
- 生命保険募集人
- 損害保険募集人
- 内部管理責任者
実際に、外回りの課長が証券外務員1種の資格が取れず、課長を降格されている人を間近で見ました。全く勉強嫌いだったみたいです。上記試験は特に難しい試験ではなく、数ヶ月少しやれば誰でも合格出来ます。
これから、就職する人は、証券外務員1種、2種を入行前に取得しておくと入行後も楽ですよ。
本部組織での業務
特に必須な資格はないですね。
証券外務員1種、2種は、部署により必須なところがありますが。
ディーラーとかは、証券アナリストは持っている人は多くいますが、必須ではないです。
銀行への就職で有利な資格
銀行員に必須資格を紹介してきましたが、ここでは銀行への就職が有利な資格を説明していきますね。ただ、学生時代に何を学んだのか、問題意識があるのかなど人間性も当然重視されることは、どこの企業でも変わりありません。
就職で有利な資格
銀行(メガバンク)へ就職を目指す資格は下記3つをオススメします。
・TOEIC750点以上
・証券外務員1種、2種
・フィナンシャルプランナー(FP)2級
銀行への就活において、金融志望とのアピールが出来る他に、他の金融機関への就活や一般生活にも役に立つでしょう。
TOEIC750点以上
2023年のあるメガバンク一般職の平均がTOEICの平均スコア730点であることから、最低ライン750点以上あれば有利になりますね。
ただ、海外志望や本部勤務志望であれば、正直850〜900点以上でないと厳しいです。英語力で差を付けられないためにも、頑張ってほしいです。
証券外務員1種、2種
支店業務では必須資格であり、時間のある学生時代の取得しておくことをオススメします。証券会社などの他の金融機関でも必須のため取得しておいて損なことは全くありません。
難易度は約2ヶ月程度一日1時間〜2時間の勉強で十分に取得出来ます。
フィナンシャルプランナー(FP)2級・AFP
支店業務、特にリテール業務ではほぼ必須になっている資格です。メガバンクの個人営業はほぼ取得しています。
メガバンクのリテール(個人営業)では、「単に投資信託を購入して下さい、保険に入って下さい」の営業は行っていません。
なぜ必要なのか丁寧に説明して、今後の資産設計も合わせ販売しています。(金融庁の指導もありますが・・・)
このために、フィナンシャルプランナー(FP)2級の資格の知識は最低限、知っておいた方がいいのです。
また、自身の今後の資産計画にも役に立つ資格です。これも、6ヶ月程度1時間程度の勉強で十分に合格が出来ます。
私はなんとFP1級を8回落ちて、9回目に合格。受験料だけで7万円くらい使いました。こんな風にならないように、さっさと集中してとってしまいましょう。
出世に有利な資格
銀行員にとって出世に役立つ資格を紹介していきます。
ただ、出世するためには資格が必要な面もありますが、より専門性をもった高いスキルで業務をすることで結果が出て、出世につながることが本来の資格保有の目的ですね。
資格マニュアになる必要はないですが、業務が終わった後に勉強して資格を取得することは、自己成長にも繋がり、自信を持てるため、是非チャレンジして行ってほしいです。
なぜ資格が出世にむすびつくのか
主に下記3つとなります。
- 高い専門性を持ち業務上いい成果が評価される
- 学ぶ姿勢・向上心が評価される
- ライバルとの差別化(銀行では不適切な言葉となっていますが・・)
オススメ資格5選
それでは、オススメ資格を5つ紹介します。
- TOEIC800点以上
- 中小企業診断士
- 証券アナリスト
- フィナンシャルプランナー(FP)1級・CFP
- 宅地建物取引士
TOEIC800点以上
銀行員にて、行きたい部署を希望するには英語力はもう必須となってきます。英語が出来ないことで自身の可能性を
諦めることは避けたいですね。
TOEIC800点以上あれば、行きたい部署への希望が言えます。(実際はグローバル部門は900点程度はほしいですが)
支店業務だけなら、じっさいTOEICの点数はあまり出世には関係ないですが、そこで引け目を感じたりすることは嫌ですね。また転職など全ての職種で有利なことは間違いありません。
ちなみにバブル入社の私はTOEICは入行時は390点で、退職時はTOEIC530点程度でした。TOEIC530点では希望の部署など全く希望も聞いて貰えませんでした。
中小企業診断士
支店にて法人部門の行員には是非取得してほしいですね。難易度が少し高いため、この資格の保有者は少ないです。ライバルに差をつけるには是非チャレンジしてほしいです。
法人営業や貸出審査に必要な経営コンサルが体系的に学べます。
証券アナリスト
市場部門で調査部門で働く人にとっては、当然な資格ですね。
企業や業界を対象として経済状況の調査・分析を担当する職種で必要な資格となっています。
取得後は、本部勤務への希望は当然通りやすくなります。また、外資系企業、他の金融機関への転職に有利になってきます。
ただ、難易度は高く、また証券アナリストの試験を受けるために講座を必ず申し込まない行けないのですが、これが高いです。
一次試験講座60,000円、二次試験講座53,500円の受講が必須となってきます。金銭的な負担がありますね。合格時には銀行から補助があったと思います。
ちなみに、私は20代と30代の2回挑戦しましたが、挫折して、一次試験講座2回分(有効期限あり)120,000円が無駄になりました。
フィナンシャルプランナー(FP)1級・CFP
支店にてリテール業務を行うために、より深い知識を持つためには有効な資格です。
メガバンクでは、管理職での取得が推奨となっています。
この資格保有により、出世に有利に働くことは少なからずありますね。
私の場合は、出来があまりいい行員でなかったが、この資格をとったことで一応やる気があるヤツと思われたと感じます。
ただ、銀行を退職した今は、FP1級を保有していて役立っていることは少ないです。独立するにもFP1級では税務相談も本格的に出来なく、独立で活かすには簡単ではないですね。
宅地建物取引士
支店にて銀行業務を行うことで、法人・個人とも不動産融資が発生してきます。担保評価や取引の正当性などを判断するのに有利になります。
難易度は、6ヶ月毎日1時間程度の勉強で合格は出来ます。
ただ、銀行員が宅建業務を行うことは出来ないため、資格を使っての業務は出来ません。
これも、出世には直接的に有利に働くことは少ないですが、資格取得したことに対する評価は少なからず付いてきます。
これは、転職にも有利で、定年退職後も地元の不動産会社へのアルバイトなどにも役に立つでしょう。
ちなみに、私も保有しています。第二の職場では全く役に立っていませんが、65歳の退職後は地元に帰り、ほそぼそ不動産会社でアルバイトしようと思っています。
【難関資格】将来役に立つ資格
税理士資格
これは、かなりハードルが高い資格です。
銀行員でこの資格はかなり有利です。下記私と一緒に働いた行員は課長職までの出世でしたが、資格取得により年間100万円の資格手当をもらっています。
税理士資格を合格した同僚
私と同じ支店にいた人が、結局は課長職までの出世でしたが、毎日5時間程度、休日10時間以上の勉強を5年程度続け、
税理士資格を取得しました。これにより、銀行内のプロフェッショナル職という資格をもらい、資格手当として年間100万円アップしていました。
その方は現在、銀行を55歳で定年退職し、再度銀行で嘱託として働いていますが、引続きプロフェッショナル職があり、年間100万円の職務手当を別途もらっています。将来は独立すると頑張っています。
頑張ってみる価値は十分にありますね。数年は勉強漬けになる覚悟は必要ですが。
USCPA(米国公認会計士)
超難関まで行かない資格で仕事をしながらでも約2年程度で取得が可能です。ただ、英語力は必須となりますね。
米国各州が認定する公認会計士資格です。銀行内での評価は当然されます。調査部門などへかなり有利でしょう。
また、転職にもかなり有利になります。
監査法人、税理士事務所、コンサルタントが対象となり、資格が有利に働きますね。
銀行内での資格手当は出るの?
私が所属していたメガバンクでは、資格手当は支給されなかったです。
ただ、弁護士資格や税理士資格、公認会計士の資格はプロフェッショナル資格としていくらか支給はされていました。
まとめ
銀行員へおすすめ資格として、就職・出世に有利な面から紹介してきました。
これから銀行員を目指し、金融業界で活躍したい場合は是非ご紹介した資格を参考にして頑張ってほしいですね。
これからは、銀行業界も市場金利が上がることにより、業績も今以上に堅調に推移していくと予想されます。グローバル化・デジタル化とまだまだ期待される業界です。希望を持って志望してほしいです。
銀行内での出世は、ポストが減るなど厳しい環境が続いていますが、紹介した資格を取得することで出世の助けになるでしょう。勤務しながらも資格取得はなかなか疲れ、辛いときもありますが、必ず自己成長が出来き、満足感も得られることでしょう。
応援しています。
これからの人生を考える
大企業であれ何十年も安泰した企業は少なく、サラリーマン人生が最後まで安定した職場ではなくなっています。
これを解決するには、会社以外の収入を確保する副業があります。副業することで、会社に全て依存することがなくなりストレスも軽減され、経済的な安定から将来の不安も解消され、切り詰めた生活からの解放もされていきます。
20代、30代の人も早めに対策をすることで安心した余裕を持った人生がおくることが可能になります。40代、50代の人は1年でも早く新たな収入源を確保するように行動することが大切となってきます。