大企業と中小企業の年収格差がヤバイ!?10年間でこれだけ開くのか

企業規模の画像

大学を卒業後、一生懸命にサラリーマン生活を送ってきたが、学生時代の友人などはいったいどれぐらいの年収をもらっているのかな?

大企業志向の友人や中小企業で自分が会社を大きくするんだ!などさまざまな想いで別々の進路に分かれていった友人達!すでに年収にも格差がついているのだろうか?

実は、令和3年度の国税庁の調査では従業員1000人以上の大企業の男性平均年収631万円に対して、従業員30人〜99人の中小企業の男性平均年収501万円と100万円以上の年収格差となっているのが現実なんです。

私は30年間メガバンクに勤務し54歳で定年退職となり、現在は従業員7人の企業に勤めていて、大企業と中小企業の経験を持っています。

10年間での大企業と中小企業の年収格差がどうなっているのか、なぜこれまで年収格差がついてしまうのかについて解説していきます。

目次

大企業と中小企業の10年間の年収格差が大きい

大企業と中小企業では一般的にはかなりの年収格差があることは事実となっていますが、当然中小企業でもベンチャー企業やスタートアップ企業となっていく場合もあり、例外も多くあります。

ここでは一般的な大企業と中小企業との定義、10年間の年収格差について解説します。

大企業と中小企業の違いは?

大企業と中小企業の違いは中小企業基本法で定義されています。

出資金や従業員や業種により、中小企業者と小規模企業者が定められています。この定義を超える企業を大企業とするケースが多いが実は大企業の定義はないのです。

参照先:中小企業庁を参照にて作成

大企業と中小企業事業者の数は、少し集計は古いですが2016年時点にて

と大企業者事業者数は全事業者数の0.3%しかないのですね。これはかなりの驚きです。

なお、中小企業で働く従業員数は日本国内での従業員数の68.8%となっています。10人に約7人が中小企業に勤務とほとんどの労働者が中小企業で働いているのが現状です。

私は今中小企業組合の勤務ですが、当然組合員は全て中小企業ですね。日本の経済を動かしている企業群であることがよくわかります。
中小企業組合士として中小企業の発展に尽くしています。

10年間の年収(賃金)格差

大企業と中小企業との年収格差についてみていきましょう。中小企業は年収は一般的に低い結果となります。

実際にどれぐらいの格差があるのでしょう。令和3年度の国税庁調査の民間給与実態統計調査(令和4年9月)をもとに集計し表にまとめました。

男性

大企業と中小企業の男性の年代別年収をみると、大企業との差は20歳代から50歳代にかけて、10年間ごとに年収格差が開いてます。

20代では約20万円、30代では約110万円、40代では約140万円、50代では約230万円と大企業の方が中小企業に比べて年収は多くなっています。

生涯収入に直すとかなりの大きな格差となることがわかります。なかなかショッキングな数字が・・・

参照先:令和3年分 民間給与実態統計調査 国税庁を参照にて作成

もう少し細かくみていくと、大企業と中小企業との年収格差は60歳を超えると小さくなり65歳からは逆転となります。

大企業ではまだまだ定年60歳となっていること、55歳から役職定年が多くの企業に導入されていることが影響しています。大企業では若いうちに多く稼ぎ、貯めておかないと60歳以上は厳しい現実が待っています。

実際に私も54歳でメガバンクを定年退職した後は、中小企業に移り年収は半分以下となってます。

参照先:令和3年分 民間給与実態統計調査 国税庁を参照にて作成

女性

女性の場合の企業別年収格差は、男性と比べ少し傾向が違います。

20代ではほぼ同じだが、30代では約50万円、40代では約50万円、50代では約15万円と大企業の方が中小企業に比べて年収は多くなっています。

各年代も男性ほど大企業との格差は少ないです。60歳を過ぎると年収は逆転しています。大企業は60歳を超えた従業員を高い給与で雇う余裕はないのでしょう。

参照先:令和3年分 民間給与実態統計調査 国税庁を参照にて作成

女性の場合は25歳から44歳ぐらいまでは年収格差はあるが、それを超えると一気に年収格差は小さくなります。

大企業では女性はまだまだ一般職としての採用が影響しているため年収も3百万円台と男性に比べ低いのでしょう。

参照先:令和3年分 民間給与実態統計調査 国税庁を参照にて作成

ただ、中小企業の場合は実際には部長などになれる確率も高く、私の周りでも800万円超をもらっている人は大勢います。また、部長、常務、専務などの肩書きを手に入れてます。

年収格差が起こる理由

企業の規模が大きく違えば、学歴や業種などの条件が同じでも、年収が数百万円違ってきます。
これには、下記3つの理由をあげることができます。

  • 中小企業は、大企業の下請けである場合が多いため、必然的に中小企業の儲けも少なくなり、従業員へ払う賃金も小さくなっていきます。
  • 大企業の方が商いが大きいため、収益が額も大きく従業員への賃金支払いも多く支払うことができる。
  • 労働生産性が、ほとんどの業種で大企業の方が高い傾向にあることです。これは、大企業の方が従業員一人が生み出す成果が高いことですが、
    ①業務の効率化
    ②従業員の満足度
    ③従業員研修の充実化
    などが大企業の方が進んでいる結果となります。

*労働生産生とは:労働者1人あたり、もしくは1時間あたりに生み出す成果のことです。

引用元:中小企業庁 企業規模別・業種別の労働生産性 (令和3年度)

大企業と中小企業のメリット・デメリット

ここまで大企業と中小企業との年収格差を紹介してきて、やはり年収は大企業にかなわないなあと感じます。ただ日本の企業数は9割以上か中小企業であり、年収だけでは当然大企業と中小企業がどちらがいいのか判断することはできません。

中小企業では、頑張れば役職へ就く可能性は高く、役職に就くことにより大企業に勤める同年代の年収を超えることは珍しくはありません。

私が勤務する中小企業組合の従業員の方々も役職に就くことである程度の年収をもらっています。

大企業と中小企業の従業員にとってのメリットやデメリットをあげてみました。

大企業
中小企業
  • メリット
    ・給与が比較的高い。


    ・会社の安定感があり、社会的な信用も高い傾向があり。

    ・福利厚生や労働環境が整っている。


  • デメリット
    ・出世が難しい。ライバルも多くポジションも少なくなっている。

    ・組織の歯車として働く。

    ・早期退職・役職定年など50代から始まり、定年年齢も早い。
  • メリット
    ・出世する可能性が高い、部長、役員にもがんばれば就くことが可能。

    ・個人の意見が経営に反映しやすい。組織の歯車感が小さい。

    ・多くの業務に携わることができる。

    ・定年が遅く長くまで働くことができる。
  • デメリット
    ・年収が低い、福利厚生など充実していない。

    ・会社の業績や存続など不安。

    ・長期間労働がまだ多く、勤務日数、勤務時間とも長い傾向あり。

まとめ

大企業と中小企業の年収格差が10年間でどれだけ広がるかについて紹介してきました。

  • 男性では、大企業と中小企業の男性の年代別年収をみると、大企業との差は20歳代から50歳代にかけて、年収格差が開いてます。約100万円〜250万円の年収格差。
  • 女性では、各年代も男性ほど大企業との格差は少ないです。大企業との差は20歳代から55歳代にかけて、年収16万円〜86万円の年収格差となります。なお、60歳を過ぎると年収は逆転しています。

大企業と中小企業の年収格差がるある理由は、

  • 中小企業は大企業の下請けであることが多い。
  • 大企業の方が商いが大きいため。
  • 大企業の方が労働生産が高い。

となってます。

年収面のみを見ると、大企業の方が良いですが、ただ、大企業でも早期希望退職、55歳過ぎると役職定年、ほぼ60歳で定年退職、その後は給与は半分以下で嘱託勤務となるなど厳しい環境。

大企業勤務でも中小企業勤務でも、これからは安定した収入を確保するのが厳しい時代です。副業などで収入を得ることも検討が必要ですね。

余裕ある生活がしたい

大企業勤務であっても将来安泰ではなくなっています。中小企業勤務ならさらに厳しい環境が続くことが予想されます。

少しでも経済的にまた人生も余裕を持って楽しく過ごしたいものですね。

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