ジョブ型雇用は日本では無理反対なの?給与も上がらない課題ばかり!

ジョブ型雇用の労働者

近、アメリカ方式の「ジョブ型雇用」が話題に上がることが多くなり、日本にも「ジョブ型雇用」を導入したほうがいいとの声もあります。

日本の「年功序列」「終身雇用」「定年退職制度」が企業に負担になってきたため、大企業の早期退職や希望退職募集によるリストラが発表されています。

中高年の働かないおじさんが多くなってきて、若手は出世するポジションもなく給与も上がらなくモチベーションも下がってます。

そこで、日本型雇用(メンバーシップ型雇用)から、専門性のスキルを持った職務(ジョブ)を明確化した「ジョブ型雇用」が注目され始めてます。

旧態依然の日本に雇用形態が変わることはあるのか?課題は多くあるが、大手企業日立や富士通などが本格的に「ジョブ型雇用」を導入しつつあります。

私は、元メガバンク勤務にて54歳にて定年退職です。特に、早期退職や希望退職でもありません。

この記事では、「ジョブ型雇用」とはどんなものか?日本への導入の課題についてお伝えしていきます。

目次

「ジョブ型雇用」とはどんな雇用?

「ジョブ型雇用」とは職務(ジョブ)を明確にして、その専門性的なスキル・経験を活かす、専門職の仕事をいいます。

すなわち、高い専門性を要求する雇用制度です。

アメリカの「ジョブ型雇用」

アメリカ企業では、このジョブ型雇用が主流です。

労働者は自分の専門分野をもち、その分野でスキルや経験を積んでいきます。企業は特定の職務(ジョブ)を行うための労働者を雇っているため、ジョブローテーションなどする人事異動などはありません。

労働者も雇用者も、いつでも理由なく退職、解雇が出来る制度です。

よくアメリカのテレビニュースや映画などでも見る、すぐに解雇になり、ダンボール箱を持って会社を去るシーンです。リーマンショックのときには、連日金融機関の社員が、会社を去っていくシーンをみました。

また、労働者は専門分野の経験を積むと、キャリア形成するため「転職」でキャリアをつけていきます。10回程度の転職は当たりまえの世界となってます。

当然、年齢による定年性は禁止されていて、憲法違反になります。

日本での「ジョブ型雇用」の導入への課題

現状の日本の雇用形態

日本の雇用形態はメンバーシップ型雇用といわれています。

企業のメンバーとして雇い、メンバーを大切にする制度です。

いわゆる、仕事が出来る人も出来ない人も一定年齢まで雇用するかわりに、一定年齢に達した社員は一斉に解雇出来る制度(定年制度)です。ジェネラリスト志向ですね。

よって特定のスキルをもっていないのです。年功序列であり、賃金は50歳でピークで60歳で一斉に退職していく流れとなっています。

しかし、今は定年70歳まで引き上げることが、高年齢者雇用安定法にて努力義務となりました。

60歳で解雇出来ると思っていた企業が、70歳まで雇用出来るはずがありません。日本の雇用制度は今や色々問題を抱えた制度となっています。

そこで、いつでも解雇出来て、職務に特化したジョブ型雇用が注目されてきました。ただ、日本への導入には課題が多くあります。次にみていきましょう。

導入への課題

日本企業のジョブ型雇用への移行は、大きな雇用形態への変更となるため、当然すぐに移行など出来るはずはありません。

次のようの多くの導入を拒む理由・慣習があり、課題は大きいです。

  • 職務能力がもともと低くため、成果が出にくく、賃金が下がる。
  • ジェネラリストで育てらた中高年社員のモチベーション低下。
  • 成果主義となるためチームワーク悪化する。
  • 日本の企業風土(ジェネラリスト育成)はそもそもすぐ変われない。
  • 日本では解雇が困難で容易でない。
  • そもそもスペゃリスト意識がない労働者が大半
  • 降格となる場合があり、さらに中高年のモチベーション下がる
  • 経営者の頭が固く古いため、導入に前向きになれない。

今後導入に向けてどうするのか?

企業・労働者の意識改革を進めていかなければなりません。

中高年は早期退職や新しくスキルを磨くきつい試練が待っているのかもしれません。

導入に必要な形式的な事項は以下となります。

  1. 職種別のグレードの整備
  2. 職務記述書の制定・・・どんなスキル・職務能力があるひとが欲しいと雇用主が示すもの。
  3. 報酬・評価制度見直し
  4. 現状の管理職をいかにジョブ型に転換させるか
  5. グローバル人材戦略
  6. 人事部ーひと基準を見直し、ジョブ基準でみる。

導入するメリットは

年功序列、70歳までに定年引き上げ、などが職務能力が低い労働者を長期間雇用することは難しくなっています。

職務能力による、企業の価値上昇にはジョブ型雇用が必要になってきます。

  • プロ人材が確保出来る
  • グローバル人事制度の統一にてグローバル展開が可能、活性化
  • ダイバーシティ人材
  • イノベーション、さまざまな掛け合わせによる良い化学反応が期待できる
  • 人件費抑制:働かない労働者はいらない

「ジョブ型雇用」の導入では給与は上がらない

「ジョブ型雇用」に転換すれば、有能で大きな成果を発揮する人には年齢を問わず高い処遇をする一方で、成果の出せない人には、処遇を大きく下げることも可能となってきます。

すなわち、今の中高年の「働かないおやじ」世代は給与があがることはなくなります。

50代、60代になってもスキルを磨くことは必要となってきます。なかなか厳しい時代の突入してきてます。

2020年日本の「ジョブ型雇用」元年!早い無理、反対?

2020年は富士通はじめ大手企業の一部が「ジョブ型雇用」をスタートさせてきて、導入元年と呼ばれています。

富士通の「ジョブ型雇用」について

富士通の人事制度にはびっくりですね。まずは始めることも大切になります。

富士通は、2020年4月、国内グループ企業に勤める管理職1万5000人を対象にジョブ型の人事制度を導入しました。

一般社員6万5000人については労働組合との話し合いを経て、数年後の導入を目指すとのこと。

新制度について人事部は「基本的に成果主義だ」と説明しています。

この「ジョブ型雇用」は管理職からスタートさせ、新しい時代への対応を目指しています。勇気ある行動ですね。

このような企業が今後続いて行って欲しいですね。

現況では、少しずつ成果は出てきているとのことだが、まだまだスタートしたばかりこれからが期待です。

ただ、このような企業は少なく、「職能給制度を変えることが、人事部と労働組合が激しく反対する企業が大半」とまだまだ導入は無理と様子見となっているいのが現状です。

まとめ

日本の企業にとっては、ジョブ型雇用への転換はそんなに遠くない課題となっています。

中高年にとっては、厳しい雇用制度であり、管理職にとっては働かない労働者は不要と言われているようなものです。

ただ、まだ「ジョブ型雇用」を採用する企業は少ないです。

現行制度で乗り切れるかもしれませんが、70歳定年制度が努力義務となるなか、一度自身のスキル・職務能力を見直し、低い場合はなにかしら対応・努力も必要となってくるかもしれません。

なかなか中高年にとっては厳しい世の中ですね。

これからの人生を考える

「ジョブ型雇用」についてお伝えしてきましたが、中高年にとってはなかなか厳しい現実が迫りつつありますね。

これからは安定収入を期待することはどんどん厳しくなります。会社以外の収入を確保する必要が出てきます。

副業をはじめることも一つの対策となります。会社に全て依存することがなくなりストレスも軽減され、経済的な安定から将来の不安も解消され、切り詰めた生活から解放することも可能となってきます。

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