やっと企業も重い腰を上げて賃上げを検討、実施するような傾向になってきました。
現在は、企業の約8割が賃上げを検討すると発表しています。
これだけの物価高、30年間賃上げなしだったため、とうとう年収ベースでも韓国にも抜かれ、日本の低賃金に対して、やばいと政府・企業も本気で思ってきたのでしょう。
今回は、政府が2023年の賃上げ対応として、どんな推進策や目標を立ているのかわかりやすく解説していきます。
政府の賃上げ推進目標
岸田総理はことあるごとに賃上げの必要性について発言だけしてきましたが、やっとここにきて企業は賃上げに応じるようになります。
ほんと早く賃金を上げてもらわないと、食料品など生活物価や光熱費もバカ高になってきた現状では普通に生活が出来ないです。
さっそく現在の政府の賃上げ推進策についてみてきましょう。
目標
政府の一番に掲げる賃上げの目標は
物価上昇率を超える賃上げが必要、実現を!
となっています。物価上昇率3%〜4%を超える賃上げの実現です。
岸田文雄総理が、「物価上昇率を超える賃上げが必要!」と1月の施政方針演説で発表しています。
これが、現在の政府があげる賃上げの一番の目標となっています。
現在の物価上昇率は?
さて、物価上昇率を超えるといっても現在の物価上昇率はどれぐらいなんでしょう。
結論からいうと、3%〜4%程度となります。岸田総理はどこの時点の物価上昇率とは何も言っていません。
ただ、目安となる物価上昇率は、2022年12月の単年の上昇率や2022年度の通年の平均が目安となります。
2022年12月の物価上昇率は前年同月比で4.0%上昇、41年ぶりの高水準
2022年度(2022年4月〜2023年3月)でみると物価上昇率の見通しを前年比3.0%に引上げています。
*物価上昇率=消費者物価指数と同じにみます。下記は消費者物価指数の解説となります。
私たち消費者が日々購入するモノやサービスなどの物価は高くなったり、安くなったりと常に流動的です。こうしたモノやサービスなどの物価(消費者物価)の変動を測定するための指標が「消費者物価指数」で、毎月総務省から発表されています。生鮮食品(魚介・野菜・果物)は一時的な要因変化があるため、除きます。
引用元:マイナビ
政府は、この物価上昇率3%〜4%を超えての賃上げが必要で実現させようとしています。
賃上げにあたり、経済界、労働界とコミュニケーションを取りながら進めていくことは大切だとの信念のもとに。
推進策
岸田総理は1月の国会の演説で「物価上昇率超えの賃上げを求める」と発表し、物価上昇を超える賃上げに取り組むべく、政策を総動員して環境設備に取り組んでまいります。と言っています。
対策は、
政府が企業に賃上げをお願いする
ことになります。
まずは、具体的な策より、「物価上昇率を超える賃上げが必要、実現を!」と政府がアナウンスすることで、企業側にプレッシャーをかけていくものです。
ただ、企業側は賃上げしなくても、特に罰則(ばっそく)はありません。
具体的な賃上げ政策は?
先ほど述べた、賃上げ政策の第一はアナウンス効果を狙うものです。
具体的策については、次の4点となります。
- 公的価格の見直し
- 国が率先して、看護・介護・保育・幼児教育などの分野において、給与の引き上げを行う
- 国が率先して、看護・介護・保育・幼児教育などの分野において、給与の引き上げを行う
- 賃上げを行う企業への支援
- 賃上げ税制を抜本的に拡充。 中小企業については、税額控除率を最大40%まで引き上げる
- あわせて、賃上げに取り組む中小企業の生産性向上を支援するため、補助金や助成金を支援
- 下請事業者への不当なしわ寄せを解消し、中小企業等が賃上げの原資を確保できるよう、価格転嫁対策の強化に取り組む。
- リスキリングによる能力向上支援と労働移動の円滑化
- 労働者のリスキリングへの支援を強化
どれぐらいの効果が得ることができるのかまだ不明です。申請書類や制度の簡略化が大切ですね。
現在私はメガバンクを54歳で定年退職後、小さな協同組合に勤務して、補助金申請などよくやっていますが、非常に大変で嫌になります。
税制面と補助金・助成金について
政府が物価上昇率以上の賃金引き上げを目指し、企業に求めているため、企業側サイドにたった税制面と補助金・助成金制度が作られています。
企業が賃上げして、優遇される施策となっています。
大胆な賃上げに取り組む事業者の方に、補助金において補助率の優遇、審査上の加点など賃上げを支援する取組みが行われています。
目的は、国民の消費拡大を促して、企業収益を改善する狙いから賃上げを促しています。
2023年の企業の賃上げ状況
実際に政府の要請もあり、2023年の賃上げを検討している企業はどれぐらいになったのでしょう。最近では連日大手企業の賃上げ発表が相次いでいますが・・・
東京商工リサーチの「賃上げに関するアンケート」調査の結果、政府の賃上げ要請もあり、賃上げを実施予定する企業は81.6%となっています。
賃上げ実施予定
大企業:85.1%
中小企業:81.2%
賃上げする企業は80%超と高い水準となっています。ただこれはコロナ前と同水準でありますが。
賃金引き上げ幅
政府が求める物価上昇率を超える賃上げを検討している企業は、東京商工リサーチの調査では全体の45.84%となっているのが現状です。
なかなか大幅な引き上げは厳しいところです。
賃金引き上げ幅 | 引き上げ幅2%未満 | 引き上げ幅2〜5% | 引き上げ幅5%以上 | 実施しない |
割合 | 35.8% | 41.55% | 4.29% | 18.36% |
まとめ
【2023】政府の賃上げ推進や目標や推進策について紹介してきました。
- 賃上げ目標
- 物価上昇率を超える賃上げが必要、実現を!目標となる物価上昇率は3%〜4%程度。
- 推進策
- 政府により企業に対する賃上げアナウンスと税制・補助金・助成金の政策。
- 賃上げ実施状況
- 2023年度の賃上げする企業は81.6%とコロナ前水準へ。
- 2%以上の賃上げ企業は全体の46%程度
2023年度の賃上げのニュースは大手企業から多くなってきていますが、政府が求める物価上昇率以上の賃上げは厳しい企業を多いのが現状です。
経済全体が好循環して多くの企業が物価上昇に耐えられる賃上げを期待したいものです。
これからの経済的安定について
企業の賃上げ発表が相次いでいますが、物価上昇を補う賃上げが出来る企業は半分にも満たない状況です。
会社からの給料のみに頼った収入では不安が消えません。
毎月少しでも会社以外からの収入源を持つこともこれから必要となってきます。