仕事ができる部下を持ったのに、部下はまったく出世に興味がないと能力の半分も発揮していない状況でワークライフバランスを楽しんでいる。
そんな部下を見ていてもったいないなあと。
仕事が出来るのに本当に出世に興味がないの?また、そんな部下を高い志を持つまでに変えることは出来るのでしょうか?
出世に興味がない理由やそんな部下を高みを目指す社会人に変えていく方法があるのかを紹介していきます。
私は30年間メガバンク勤務にて、出世にほんとうに興味がない人を何人も見てきました。その実態も含めて紹介していきますね。
日本の労働者の出世志向は低い
日本の就業者は世界と比べ出世意欲が少ないとの結果がでています。また、若者の中では出世は「しんどいもの、憧れない」と思う割合が進行中。
出世しないとお金も稼げないし、やりがいのある仕事も出来ないのにと思うが、実態は違ったものです。
2019年のパーソナル総合研究所のアジアのAPAC14の国・地域(主要都市)を対象に就業意識について調査した結果は、日本は管理職志向や出世意欲は最下位となっています。
日本では78.6%が管理職志向がない結果です。アジアの中でも日本の優位性は低くなっていますね。会社の将来、日本の将来に期待しなくなった結果かもしれないです。
また、日本人の出世意欲についての傾向が調査により明らかになっています。
RsMedia社と転職メディア「転職サイト比較plus」のアンケート結果よりみていきます。
男女別出世したくない理由(全世代)
まず、RsMedia社のアンケート結果は男女とも1位から3位までは同じ理由でした。(10代〜60代)
1位:責任が増える、2位:仕事量が増える、3位:仕事と給与が釣り合わないが上位ベスト3となってます。
会社員になり経験や実力がついてくると「責任ある仕事がしたい!」と思うのが普通だった時代は過去のものなのでしょうか。
また、3位の仕事と給与が釣り合わないとは、一生平社員でいいことなのでしょうか?
周りの上司を見ても理想の姿に全く見えなく、反対に「あのような上司になりたくない」と思う人が増えているからです。
最近の若者の出世欲についても、出世したくないとの結果です。
若者の出世欲について
転職メディア「転職サイト比較plus」が、2022年6月に20〜29歳の若者を対象に出世欲についてアンケートをとった結果です。
役職になりたくない若者が77.6%もいます。ほぼ8割の若者が出世欲がない世の中になっているんですね。
そのなかで22.4%が若者が出世したいと思っています。
出世したい理由は「給与を上げたい」が一番です。収入をまず確保し生活水準を高めるためです。自分を高めたい、社会的な地位を上げたという、やり甲斐や自身を成長させたい理由はほぼ無しに等しい結果となってます。
次に77.6%の若者が将来役職者になりたくない人は、なぜ出世したくないのでしょう。
若者は責任ある仕事をしたくないが1番。これは全世代向けのアンケート結果と同じです。課や部の責任、部下の責任などを負うことはイヤなんです。
ルーティーンみたいな仕事は楽で、これで給与が安定してもらえればいいとの考えが主流となってます。
これらの調査結果から、出世して色々な責任を負うより給与は上がらなくてもある程度の安定した収入を確保できればいいという考えですね。
会社人間より、ワークライフバランスを大切にしたいと感がる若者が確実に増えています。
仕事ができる優秀な社員も出世に興味なし?
日本、全世代、若者世代の出世欲についてみてきましたが、もうかなり低下してます。
仕事ができる優秀な社員も出世に興味がないのでしょうか?
大きく分けて3つのパターンがあります。
- 出世よりやはりプライベートを大切にしたい
- 実は出世したいが出世できない
- 会社に見切りをつけ、最低限給与を確保して自身でステップアップしていく
それぞれみていきましょう。
出世よりやはりプライベートを大切にしたい
仕事ができる人でも、会社に尽くすのだけの会社員人生は送りたくないと思う人はいます。
私がメガバンク勤務時、仕事が出来るため役席者(位でいくと係長、銀行では代理、主任など)にはなるが、それ以上の課長には希望しない人を多くみてきました。
このケースの人は、ほんとプライベートを大切にしています。メガバンクの一番下の役席であっても1000万円前後の給与をもらっていて、ある程度の生活は確保されていることもありますが・・
このように「プライベートを大切にしたい!」と出世欲がない場合は、会社側からしても会社の成長に貢献しないとみなされ、処遇にも恵まれなくなります。
実は出世したいが出世できない
仕事ができる優秀な社員の中には、ごく一部には出世に興味がない人もいますが、できる社員が出世に興味がないという場合は、出世が出来ない場合が多いです。
仕事ができる人とは
- 会社の数字を上げ生産性が高い
- 目標達成力が強い
と思われています。
ただ、この仕事ができるタイプの人の中には、個人プレイヤーとしての能力が高いが、仕事が出来ない人の気持ちを理解するとか人間関係を円滑にする能力が低い人もいます。
このタイプになると、上司としても数字をあげるため部下として置いておきたいが、出世させる機会が減ってきます。
このような出来る社員をこのままにてしておくと、
「いくら頑張ってもほんとの自分を評価してくれない!」
など思い、出世には興味ないとなってきます。もったいないですね。
会社に見切りをつけ、最低限給与を確保して自身でステップアップしていく
できる社員は、そもそも一つの会社で給与もそんなの上がらない中で、定年まで年功序列で過ごすことがバカげていると思っています。
会社では「経験・スキルが付くまでのステップアップの場でしかない」ため、年功序列の中で出世には興味がないのです。
出世したくない部下を変える方法
仕事ができる部下が出世に興味を失った状態は、会社にとっても上司にとっても人材活用の損失でしかないのです。
ただ、現状のまだまだ年功序列型が残る旧態依然とした組織体制、給与も上がりにくい世の中では、会社に忠誠を尽くし出世を目指すというモチベーションが出てこない。
そんな中、出世したくなる状況に部下を変える方法はあるのでしょうか?
- 適切な指導を行なっていく。
- 部下をほったらかしにしないことです。これはいい上司でなくバカにされます。
- 部下をほったらかしにしないことです。これはいい上司でなくバカにされます。
- ワークライフバランスを自ら実践して理解を示していく
- 会社に全て捧げる人生はつまらないと自ら実践。それでも十分に出世できることを示す。
- 会社に全て捧げる人生はつまらないと自ら実践。それでも十分に出世できることを示す。
- 部下の育成の興味を持つ
- 部下の成長に興味を持つこと。
- 部下の成長に興味を持つこと。
- しっかり褒めること
- しっかり褒めて人を成長させていく。
上司はしっかり部下と向き合い部下の成長を見守ることで、自身の成長も実感でき、部下のモチベーションアップにつながります。
私は、部下に嫌われるのがイヤで「いつも好きなようにやっていい」と
自由にさせていましたが、もっと部下に真剣に向き合った方がよかったと反省しています。定年退職後は部下からいっさい連絡などありせん。悲しい。
まとめ
仕事ができるのになぜ出世に興味がないの?そんな部下を変える方法はあるのかについて紹介してきました。
日本、全世代の会社員、若者は、出世についての意欲は弱くなっています。
日本の成長や会社への期待が下がってきて、ワークライフバランス志向が大きくなっています。
こんな環境の中が、部下への出世に対する意識を変えるとは難しいですが、しっかり部下と向き合い部下の成長を見守ることで解決していくことが一つの解決策です。
仕事ができる優秀な社員には、ほんと大きな仕事を任せ会社の発展に大いに貢献してほしいものです。責任あるポジションでぐいぐい皆を引っ張って行くこと期待したいですね。
安定した生活を得るために
日本経済、会社もまだまだ安心できる環境ではない中で、少しでも経済的にまた人生も余裕を持って楽しく過ごしたいものです。