厚生労働省の2022年4月の統計で希望者に70歳まで就業機会を確保している企業は全体の25.6%だったと発表しました。
70歳まで安定雇用の努力義務の法律が出来て初の調査ですね。
70歳まで就業機会を適用している企業別割合、まだまだ少ないです。
- 中小企業では26.2
- 大企業は17.8%
今回もニュースで「70歳まで雇用」「定年延長」との言葉が並び、あまり自身に関わりのない世代の人は70歳まで定年が伸びたんだ、働く体力があれば収入も安定だな。住宅ローンの完済年齢を70歳にしても大丈夫だなあと勘違い?
実はまだまだ定年の年齢60歳に企業が多く、70歳まで雇用は努力して継続していきますといくことです。詳しくみていきましょう。
70歳まで就業・雇用延長とは
70歳まで就業・雇用延長とは、企業が70歳まで雇用を確保しますというだけのことです。
2021年4月に高年齢者雇用安定法の改正により、65歳までの雇用は義務化、70歳まで雇用は努力義務になってます。
決して、70歳まで定年年齢を引上げよ!といっているわけではないのです。70歳まで雇用するだけなんですね。
65歳から70歳までの就業機会確保義務(努力義務)
① 70歳までの定年引き上げ
② 定年制の廃止
③ 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
④ 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤ 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
※④と⑤を合わせて「創業支援等措置」といいます。
70歳まで給料は下がらないの?
給料は残念ながらかなり下がります。
若い世代で70歳まで働けるから安心。住宅ローンも70歳完済でいいや!と思っていたら大いなる勘違いなんです。気をつけなければならないです。
下記に日経ビジネス調査によると、定年後は勤務時間が変わらないのに、年収は5割〜7割程度になっています。これが実態として、なかなか体力的にも経済的にも辛いかもしれません。
下記の表は、会社規模関係ない年齢別の年収統計です。
計 | 男性 | 女性 | |
60歳〜64歳 | 414万円 | 520万円 | 257万円 |
65歳〜69歳 | 331万円 | 421万円 | 207万円 |
70歳〜 | 285万円 | 356万円 | 194万円 |
まだまだ60歳定年の企業が大半
65歳まで雇用は義務化、70歳まで雇用は努力義務であることはすでに説明しました。
70歳までの定年引き上げすることも検討の一つとしてなっていますが、これはあくまで数ある選択肢のなかの一つであるだけです。
2022年6月24日(金)に発表の厚生労働省 令和3年「高年齢者雇用状況等報告」によると定年引上げたをした企業は24.1%程度。ほとんどが継続雇用制度を利用となっています。
やはり、まだまだ継続雇用制度を利用して嘱託採用にて低賃金で雇用する方法を選んでいます。
現在の60歳定年企業の割合
まだまだ定年を60歳としている企業が大半です。
65歳定年企業の割合
こちらは、2022年6月24日に発表されたばかりの統計です。
昨年よりは、若干割合は増えています。規模が小さいほど65歳定年を採用している企業は多くなっています。
中小企業にとっては、雇用が非常に難しくなっているためベテラン社員の経験・技術などが大切な戦力になっているのでしょう。
70歳までの年収の変化
これまで70歳までの就業機会確保義務についてみてきました。
どのように年収変化していくのかですが、なかなか経済的には厳しいかなという水準。
大企業は55歳で役職定年を迎え、給料がダウンします。
給料は今までの年収800万円(大企業平均)の3割減で、560万円となります。
大企業の大半が60歳を定年と定めています。この時点で退職金は支給されます。
65歳雇用化にて、大半は継続雇用制度を利用して嘱託になります。給料は7割程度になります。
560万円⇒392万円程度まで減少します。
60歳から嘱託で70歳まで働き続けるには、仕事量の減少、責任ある仕事の減少などがないと、体力的、モチベーション的にもきつくなってきます。
なかなかいつまでたっても楽になりませんね。
まとめ
70歳まで就業と雇用延長を勘違いしていないか? 実は定年60歳が大半であることについて説明してきましたが、なかなか年をとっていくことも大変です。
今回は、最新の2022年6月24日の発表の厚生労働省の令和3年「高年齢者雇用状況等報告」を参考にしました。
雇用制度も大まかなことは理解しておいて方がいいですね。「70歳まで会社にいることが出来るんだ」と安易に考えていると、雇用形態も含めびっくりすることになります。
少しでもこの記事がお役に立てればと思います。
今後の人生について
定年年齢が70歳まで引き上げ努力義務となりましたが、実態は50歳半ばで役職定年にて給与が下がり、60歳時点にて嘱託社員になり更に給与は下がります。
会社へ依存し続けても決して安泰ではありません。自ら新しい収入源をみつけること、すなわち副業は今後非常に大切な位置づけになっていきます。
50代以降も会社に依存しない経済的に安定し、さらに充実した人生を送るために、会社以外の収入を確保する副業があります。副業することで、会社に全て依存することがなくなりストレスも軽減され、経済的な安定から将来の不安も解消され、切り詰めた生活から解放されていきます。
50代の人は1年でも早く新たな収入源を確保するように行動することが大切となってきます。また、30代、40代の人も早めに対策をすることで安心して50代を迎え余裕を持った人生がおくることが可能になります。